平成10年度 九州数学教育研究大会 in 熊本
中学部 第3分科会

そんな折り、校内の研究授業をすることになった。中学3年生の12月といえば図形しかないし、私の心はGCに傾いていった。昨年度の県数大会でも、長陽中の堀尾先生がカブリという作図ツールを使った授業をされており、「よし、やってみよう」ということになった。とはいうものの、私は、何の目的でGCを使うのか、自分自身はっきりしていなかったのである。数学科による事前研究会でも、私の心にはまだ迷いがあった。「まあ、とにかくさわってみよう」とGCで教材をいじっていくうちに、だんだんおもしろくなり、のめり込んでしまった。そして、ついには「親子ピラミッドの奇跡」の発見へとつながったのである。このことは「コンピュータで数学授業を変えよう」のp47にもすでに載っていた。しかし、私にとって、初めての発見だったのである。こんなにも新たな発見が嬉しい、おもしろいという本当に数学を楽しいと感じた時間であった。この「おもしろい・楽しい」という私の思いは、数学科の事前研究会でほかの先生方にも伝わった。これから、TTの相棒の岩下先生との楽しい授業準備が始まったのである。
| 小 学 校 | 中 学 校 1 年 | 中 学 校 3 年 |
|---|---|---|
| @ものの形を認めたり,形の特徴をとらえたりすること。
B円について中心,直径及び半径を知ること。 D円の面積について知ること。 円周率の意味の理解,円をもとにして正多角形をかいたり,正多角形の基本的な性質を調べたりすること。 E線対称及び点対称の意味について理解すること。 ・円柱,円錐 |
D平面図形
・点の集合と図形 ・基本の作図 ・円の弧と弦と中心角の関係 |
D円の性質
・円と直線,・2つの円 ・円周角,・円周角の定理を使って E図形の計量 |
| 中 学 校 2 年 | 高 等 学 校 | |
| D図形の調べ方
・三角形の内角の,・四角形の内角の和 E図形と合同 ・三角形の合同条件 F図形と相似 ・三角形の相似条件 |
数学1・三角比と図形
数学A・平面幾何 数学2・円の方程式 |
| ◎ティーム・ティーチングの利点 |
| ○興味・関心に応じた選択コースにより,意欲的に学習に参加できる。
○理解や習熟の度合いに応じた学習形態の選択により,生徒が自主的・主体的に取り組むことができる。 ●より多くの教師の対応により,きめ細やかな指導・助言ができる。 ●教師間の情報交換により,よりよい方法で指導できる。 |
| ◎ティーム・ティーチングの形態 |
| ○学級単位のティーム・ティーチングで,普通教室で行う。(ア)
○学年ティーム・ティーチングで,複数の教室かオープンスペースで行う。(イ) |
| ◎活用場面 |
| ○1人が通常の一斉授業を行い,もう1人が机間巡視等で補足説明をする。
○コンピュータを取り入れた学習で,(ア)の形態で行う。 ○個別学習を中心とした学習で,(イ)の形態で行う。 ○いくつかの学習課題が設定されたグループ学習で,(イ)の形態で行う。 |
◎今回検討した作図ツール
・Cabri・・・予算がない。TOWNSでは動かない。
・てんてんまる・・無料である。サポートが可能である。
・Geometric Constructor・・無料である。サポートが受けられる。
他の市販ソフトもいろいろとあるが,予算を考えるとCabriと同じく,不可能である。そこで,てんてんまるかGCを利用すべき作図ツールとして考えた。
本題材では,軌跡を表示する点でGCを選択した。
しかし,ソフト選択以前に,作図ツールの目的意識をはっきりする必要があろう。なぜ,作図ツールか。なぜ,図を動かすのか。この点を論じることが先決問題である。今回は,次の点に絞って作図ツールを活用することとした。
| ・作図ツールを使って,教材研究を深めることで,生徒たちが意欲的に取り組む学習課題を設定することができる。
・作図ツールを使って,問題解決に当たることで,一つの問題を多面的にとらえたり,新たな発想で図形の性質を調べることができる。 ・コンピュータをグループ学習の中のコミュニケーションツールとして主体的な問題解決学習に役立てることができる。 |
| 指導
過程 |
学 習 活 動 | 学習
形態 |
発 問・指 示 |
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備 考 | |
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| 導入
5分 |
1.2年で学習した親子ピラミッドの復習をする。 | ・コンピュータは事前に起動しておく。 | ・親子ピラミッドの図を提示し,三角形の合同の証明の学習を振り返る。 | フラッシュカード | ||
| 課題
把握 7分 |
2.本時の課題を知る。 | 一斉
|
・親子ピラミッドで三角形の合同を証明したことを思い出そう | ・教師用コンピュータで操作しながら,図形を変化させても,変わらないものは何かに視点を当てて見ることを押さえる。 |
・生徒の様子を見ながらT1の補助をする。 |
コンピュータ一
斉送信 |
| 親子ピラミッドの奇跡を発見しよう! | ||||||
| @親子ピラミッドを動かしてみよう。
・点CをAB上で動かす ・△ECBを点Cで回転する A問題を知る。 |
一斉 | ・図形を動かすことで,親子ピラミッドの新しい性質を発見しよう
|
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| 予想
12分
|
△ECBを点Cで回転させると,点Fの動いた跡はどんな図形になるだろうか。 | ・問題の提示をする。
・GCで図形を動かせる |
・机間支援をし,問題把握ができているかを確認しながら,予想させ,卓上カメラを使って紹介する。 | 学習プリント
コンピュータ
コンピュータ
|
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| 3.予想する。
@イメージ力で考えてみよう ☆友達の考えを見る。 AGCを使って考えてみよう B点Fの動いた跡を見て予想を確かめる |
グループ
一斉 |
・プリントの図を見て,イメージ力で予想してみよう・予想した図をかこう
・GCを使って,予想したことを確かめてみよう ・点Fの動きを表示して,予想を確実なものとしよう
・確かめたことを学習シートにまとめよう。 |
机間支援で操作できているかを確認する | |||
| ・画面転送で,点Fの軌跡を表示する。 | ・画面を見ているか確認する。 | |||||
| 机間支援でこれから証明することがらをシートにまとめているか確認する。 | ||||||
| 問題
解決 20分
|
4.予想したことを証明する。
@自分で考える A証明の見通しを確認する Bグループで練り上げる C全体で確認する |
一斉
一斉 |
・4つの点ACFDが同一円周上にあることを証明しよう
・4つの点が同一円周上にあることを証明するには,なにを言えばいいのだろう |
・はじめに全体で見通しを立ててから、証明に進ませる。 | ||
| ・机間支援で、進んでいないグループには、見通しの確認をして、援助したい。
・証明できたグループをチェックしておく。 ・証明できたグループには、応用問題にチャレンジさせる。 |
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| ・卓上カメラを使っての説明の援助をする。 | ・発表の進行をする。 | |||||
| まと
め 6分 |
5.授業のまとめを聞く | 一斉
|
・証明のできたグループに発表してもらいましょう
・自分の学習シートをまとめましょう。 ・親子ピラミッドのきせきは円であることが証明されました。 |
・卓上カメラを使っての説明の援助をする。
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| 時数 | タイトル | 学習内容 |
| 1 | オリエンテーション | 自己紹介、選択数学の説明 |
| 2 | 鶴を折ってみよう | GCで折り鶴することの説明、GCの説明 |
| 3 | GCで鶴の折り線をかいてみよう | GCの操作練習、折り鶴の線をGCでえがく |
| 4 | 長方形で鶴を折ろう | 新しい折り方の実習、長方形での折り鶴作成 |
| 5 | 他の四角形で、鶴を折ろう | 平行四辺形、ひし形、台形での折り鶴作成 |
| 6 | 最終課題(三角形)、まとめ | まとめ、三角形での折り鶴作成 |







ここまで折ったものを基本形とする。この状態で、広げて折り線を見てみると、図形的要素がたくさん含まれていることがわかる。2本の対角線で4つの三角形に分けられる。さらに、それぞれの三角形には、3つの内角の二等分線があり、その交点は内心になっている。
この続きは、
















この折り方を使うと、いろいろな図形で鶴を折ることができるのである。







○私は、選択の数学に入れて、とてもよかったと思いました。特に印象に残った授業は、やっぱり折り鶴です。初めて、数学的に解明しようと聞いたときは、折り紙に数学的なことがあるのかなと思いました。でもコンピュータを使ったりして、画面に折り鶴の線を入れて行くにつれて、ここの点は三角形の内心だったのかということや、ここの線は角の二等分線だったのかという驚きと発見で、毎週とても、次の選択まだかなと思えるくらいとても楽しくなりました。そして、私は折り鶴やその他の折り紙の折り方を考えた人はとてもすごいなと思いました。この折り鶴とかを考えたとき、数学の知識(角の二等分線)などはなかったと思います。他の折り鶴以外の折り紙の折り方でも、解明したりしたいと思いました。
○僕は、はじめパソコン室で授業ができることと、数学が得意だからもっと伸ばしたいということにひかれて入って、授業を受けると、鶴を折ったり、正方形に線を引いたりして楽しかったです。どうやってパソコンに線を引いたらいいかを考えたりして、今まで考えることが嫌いだったのが、好きになるほど楽しかったです。後、いろいろな四角形で鶴を折るのも楽しかったです。授業中は、平行四辺形とひし形を折って、他の形でも鶴を折りたいと思って、家で他の形の鶴を折ったりしました。でも、三角形で鶴を折ることができなかったことが一番心残りなので、これから頑張って完成させたいと思います。元々は図形より計算の方が得意だけれど、図形もいいなあと思ったり、テストをやってもっと勉強して、もっと伸ばしたいと思いました。選択は数学にしてよかったと思いました。2学期も3学期も楽しい授業が受けれたらいいなと思いました。